的場 有亮(医員)
初めまして、奈良県立医科大学後期研修医の的場と申します。
さて皆様は血液疾患に関してどのようなイメージを抱いておりますでしょうか。
学生の頃は悪性リンパ腫を代表とした血液疾患について事細かく学ぶ機会が少なく、ABVD療法やR-CHOP療法については知っているがそれ以外の治療はよくわからない、また治療法が沢山あるため何となく勉強が煩雑に感じるという初期研修医も多いのではないでしょうか。
私もその一人であり、血液学を学ぶ過程で今日の治療薬を幾度となく読み返しましたが、その都度記載されている抗癌剤・分子標的治療薬・抗体医薬の種類の多さに圧倒され混乱させられました。しかしながらこうした治療薬の豊富さは血液内科の治療が医療業界で今まさに注目を浴びていることの裏返しといえるのではないでしょうか。
またこの数年間で先述したABVD療法、R-CHOP療法にPFS(Progressive Free Survival)で勝る治療が出現するなど、新薬の開発により標準治療が塗り替えられようとするその先進性も血液内科の大きな魅力の一つだと常日頃から実感するところであります。勿論、知識のブラッシュアップが日々求められますが、血液内科は学問として非常に面白く、初期研修だけでもまずは結構ですのでその魅力を堪能してくださると幸いです。
森岡 友佳里(助教(輸血部))
2008年奈良医大卒の森岡友佳里と申します。
私の場合は、早くに妊娠・出産を経験したことに加え、病気も経験したこともあり、子育てや体調を優先して勤務を組ませてもらってきました。
具体的には、時短勤務にしたり、週4勤務にしてもらったりしていました。それ以外でも、子供の病気などで急な早退や休まないといけなくなってしまった場合には、快く対応してもらっています。
業務内容としては、主に外来業務と病棟業務を行っています。病棟診療はチーム制で治療を行っており、チームの助けも借りながら入院管理の経験を積んでいます。
血液疾患の性質上、患者さんと長い付き合いになることが多く、その結果、全身をみて管理を行っていく場面も多く、それが難しくおもしろいところでもあると思います。また他科では経験することのできない悪性腫瘍の治療や移植も興味深いところです。
血液内科は独立してまだ間もない医局です。血液内科の先生は優しい先生が多く、色々と相談しやすい雰囲気となっております。他科と比べても人数はまだ少ないですが、今後血液内科に興味をもって一緒に頑張ってくださる方が増えてくれると思っています。少しでも興味をもった方はぜひ気軽に研修に、あわよくば入局してもらえたらと思います。
柴田 浩気(医員)
奈良県立医科大学2014年卒の柴田浩気です。
私は奈良医大に緊急医師確保枠2期生として入学し、もともとはへき地診療に従事することを目指していました。実際に、卒後は南奈良総合診療科(当時は総合内科)で総合診療科研修を行い、2年間十津川村国民健康保険診療所で勤務いたしました。
しかし、奈良医大での2年間の初期研修中、血液内科に興味を持っており、へき地診療および総合診療研修を終了して総合診療専門医を取得した後、血液内科を専門的に勉強したいと強く望み、血液内科に入局しました。
私のような存在は非常に珍しいのですが、血液内科の先生方は私をとても温かく迎え入れてくださり、総合診療とはまた違った専門性の中で、日々研鑽を積んでおります。
また、私事では血液内科入局後、第一子の誕生を契機に、まだまだ取得が少ないと言われる男性の育児休暇を短期間ながら取得させていただくことが出来ました。働きやすさというと、女性医師がクローズアップされがちですが、今後時代の変化に合わせて、男性医師もまた育休・育児参加が必要となると思われますので、そのような働き方を考えている男性医師の先駆事例になれればと思っています。
これから血液内科は、まだまだ進歩する分野だと思います。一方で、働き方や医療技術が進んでも、患者さんと向き合い、あるいは自分の人生と向き合い、医師として、人として生きていく姿は変わることがないと思います。
ぜひ、血液内科へ、ともに歩む仲間になっていただければ、うれしく思います。