教授挨拶

奈良県立医科大学 血液内科学講座
教授 松本 雅則

奈良県立医科大学 血液内科学講座は、2022年11月に開講し、同年12月1日に私が初代教授として就任いたしました。

奈良県立医科大学附属病院における血液疾患患者の診療は、旧第一、第二、第三内科それぞれで行われておりましたが、1990年代から旧第二内科が造血幹細胞移植を担当するようになり、血液疾患を主として担当するようになりました。旧第二内科は、呼吸器を中心に、感染症、血液、アレルギー疾患を担当していましたが、感染症が独立し、今回血液が独立したという歴史的な流れです。2023年4月より血液内科学講座は完全に独立して運営していくことになります。

私自身は、1991年に旧第二内科に入局し、血液グループに所属していました。私が血液グループに加わった時は私以外にメンバーは3人という状況でした。1999年から私は本学輸血部に勤務し、2014年に輸血部の教授に就任しており、今後は血液内科と兼務することになります。

血液内科は、ATRA(all trans retinoic acid)による分子標的療法、リツキシマブによる抗体療法、造血幹細胞移植による再生医療、そしてCAR-T療法と、現在注目されている治療法を他の分野に先駆けて臨床に導入してきた「臨床と研究が近い」分野だと思います。また、「内科で悪性腫瘍が治癒に導ける」やりがいのある診療科だと思っています。白血病やリンパ腫などの血液悪性疾患はもちろんですが、私の専門であるTTP(血栓性血小板減少性紫斑病)を含む血栓止血領域など、幅広く患者さんを診療できる講座とすることを目標としています。そのためには、まずは仲間を増やすことです。興味のある医師、研修医、学生の方はご連絡ください。お待ちしています。

現在の血液内科の医師は少数精鋭で、若いメンバーが中心ですが、経験豊富なベテランがサポートしています。安心して受診してください。

この誕生したばかりの血液内科学講座を末永くサポートしていただけましたら幸いです。

2023年3月吉日